暗殺教室
脳噛ネウロと同作者の新作。
3年E組の担任になったタコ型謎生物「殺せんせー」とE組の生徒達が織りなす、暗殺と教育をテーマとした物語。
物騒ながらもシンプルなタイトルに惹かれページを開いた瞬間、あっという間に「何が起きているのだ…」という驚きとともにこの世界に巻き込まれてしまう。
連載開始時に作者名を見ず「ああまた新連載か…」と流し見で済ます気だった私もすっかりハマる程、1話のインパクトは絶大。
今後の展開に期待を寄せたい1巻である。
1巻は「あの人」が馬乗りになって銃をベロンとしているところでEND。
絵はネウロのころと比べ綺麗になっており、魅せたいシーンは更に際立っている。
コミックであらためてじっくり読むと、細かいところで細かいネタが散りばめられていて2度3度と笑わされる。
表紙もどことなくかわいらしく、見つめているとじわじわ笑いがこみあがってくる。
週刊連載で読んでいる方も、コミックでまとめて読んでこの不思議な魅力を味わってほしい。
黄色の背景に顔という、嫌でも目に入る奇抜な表紙。
「魔人探偵脳噛ネウロ」の作者、松井優征が送る、ハートフル学園暗殺ヒューマンコメディ。
マッハ20の速度で動き、触手を自在に操る不思議な生物。
何の因果か教師となった彼(?)を暗殺すべく、選ばれたのは、生徒達。
暗殺教室、幕開けです。
何とも物騒なタイトルとは裏腹に、前作と比べてバイオレンス度は控えめ。
絵柄も大分見やすくなって、全体的にマイルドな仕上がりに。
シュールでブラックなギャグやスタイリッシュな作風に目が行きがちですが、ひねくれてるけど優しい物語となっています。
彼らの暗殺の対象なのに、生徒達に誰よりも親身な殺せんせー。
落ちこぼれが集められているE組の生徒達も、それぞれが少しずつ変化していきます。
まだまだ序盤、物語の帰着点が全く予想がつきませんが、とにかく期待の作品です。
いわゆる「腐った林檎呼ばわりされて他の教師達に見放された生徒達を
熱血教師が体当たりで触れ合って成長させていく」というドラマのテンプレに、
「暗殺」というキーワードをくっつけて熱血教師をタコ型宇宙人的妖怪にしてみた漫画。
「他人に胸を張れる暗殺」とか「明るくさわやかな殺意」とか、どー考えてもおかしい台詞が出てくるんですが、読後感は爽やかで面白いです。
今後どんな風に生徒達を成長させていくのかとっても期待。
世の中には、「殺す」という言葉に笑いを絡ませることに対し、嫌悪感を抱く人も少なくないことは知っています。その感性を否定はしません。が、それが絶対的に正しい倫理観だとも思いません。作者も触れていますが、日常的に使われる言葉でもあり、「殺す」が笑いを生む瞬間も確かにあるからです。そもそも、笑いというものは残虐性や暴力性を内包していると考えます。なので、それを笑うこと自体間違っているという考え方はどうも理解しかねます。表現に対して、心の狭い社会になっていってるなと感じます。子供に向けられるものに関しては特にです。一概には言えませんが、少しでも過激な表現は規制の対象として槍玉に挙げられ、ときには犯罪の元凶に仕立て上げられることさえ。モンスターペアレント然り、都の条例然り。しかし、正しいことだけを教えるのが教育ではないはずです。むしろ悪を学ばせないことのほうが、よっぽど恐ろしいでしょう。善悪両方を知り、そこから大切なことを見極める力が重要なのです。今の時代はネットもありますし、子供の純粋無垢な好奇心が押さえ込まれることはないでしょうが、臭いモノには蓋というような風潮には眉をしかめてしまいます。子供より、大人にゆとり教育が必要なのかもしれません。
寄生獣
はじめてこのコミックを手にしたのはもう10年近く前、中学生のときでした。そのときは友達に借りて読んだのですが、夢中になって読んだのを覚えています。
この間古本屋を歩いていてふと思い出し、無性に読みたくなって一気に全巻を買って読み返してみました。
おもしろい!やはり傑作です。
中学当時に読んだときにはただただ寄生生物の迫力、残酷さに圧倒され、ドキドキしながら読み進んだのですが、改めて今読み返してみると、エンターテイメントとして優れた作品であるというだけでなく、人間の持つ矛盾や、自然との共生がテーマにあり、メッセージ性も併せ含んでいることがわかりました。
また、当時は「寄生獣」というのは寄生生物によって寄生され、凶暴化したもののことだと思っていましたが、勘違いであったこともわかりました(当時は無知なガキで疑問も生じなかった)。
何か面白いコミックはないかとをお探しの方だけでなく、当時のファンの方も完全版でもう一度感動を味わってみてはどうでしょう。夢中になること請け合いです。
大学時代に付き合っていた彼女に薦められて
読んだのがこの作品との出会いでした。
軽い気持ちで読み始めたもののすぐに作品世界に
引き込まれ、最終話まではあっという間でした。
漫画の世界にこれほど没入したことは
後にも先にもこの作品だけです。
未読の方にはぜひ一度手にとっていただきたい。
私にとっての不朽の名作です。
私が子供のときに読んだ漫画で私に最も衝撃を与えたと言ってもいい漫画に、デビルマンがあげられます。(もちろん原作版です)
この寄生獣はどことなしかデビルマンと同じ衝撃を私に与えました。
デビルマンと寄生獣、この2つの漫画で同じような表現をしている部分があります。
『人間こそが悪魔ではないか』というような表現です。
人間の他者を受け入れることを許さない心がとてもよく表現されていました。
「私たちはこのままでいいのか?」
という誰しも一度は思った疑問をもう一度改めて投げかけてくれた作品です。
大人でも楽しめる一冊なので、ぜひ読んでみてもらいたいです。
先日久しぶりに読み直しましたが、一気に最後まで読んでしまった。
おかげで寝不足だ。途中で読み終えられない。散々漫画なんて読み
漁ってきた筈なのに、いい年をして目頭が熱くなる場面も幾つか
ありました。
「人間とは、一つの生物として地球に生きるという事は何なのか」
という、ともすれば大上段に振りかざして勢いだけで終わりがちな
テーマを見事なまでに、ある意味完璧に描ききっており、同時に設定、
演出、セリフ、ものものしさ、カッコよさ等全ての要素が見事な
出来栄えで詰まった作品。作者の絵柄は好みが分かれる所かもしれない
が、それを差し引いても万人に誇る事の出来る作品と言えると
思います。
おもしろい漫画はたくさんあるけど、鳥肌の立つ作品には中々出会え
ません。しかしこれは間違いなくその中の一つです。
出来る事なら、充分な時間と予算を掛けて是非映画化してほしいけど、無理かなあ。