土竜の唄

高卒巡査、菊川怜二 20歳が主人公。
テンポのいいストーリー展開で、冒頭から引き込まれる。
日本最大の暴力団のトップを検挙するため、警官のポジションを捨て、
相手方の中に潜入する隠密の捜査官に、菊川は身を投じてしまう。
様々な敵との闘いを通じて、徐々に菊川は本部の中心に近づいていくのだが、
本作品の中でも、主人公以上の存在感を示す日浦の兄貴・クレイジーパピヨンとの
交流が本作品を高度なものに引き上げている。
スーツの背中に、色鮮やかなアゲハ蝶のデザインを施し、
往年のエルビス・プレスリーのような色男・クレイジーパピヨン
違法カジノでの初対面時には狂っているのか?と思わせるぶっ飛びぶりだが、
その生き様は、一言で言えば「真摯」。
まじめなヤクザなのである。
債権を回収するために議員の虫歯を電気ドリルで粉砕するかと思えば、
借金を踏み倒した息子の老父母の行方を追い、農作業で疲労しきった姿に
回収を即座に断念。
襲撃された菊川を助けるために、ヒットマンから両足を奪われる悪夢。
そして、奇跡の復活。
日浦の兄貴とのバトルがどのような形で決着するのか?
恐らく、その一点に作者は集中せねばならない日が来るだろう。
この物語の見所を一言で言えば、以下のとおり。
「日浦の兄貴の生き様に痺れろ!」

 

警察官としての素養にあんまり恵まれていない主人公が潜入捜査官となり、ヤクザの世界でのしあがりつつも日本最大の組織のトップである組長を逮捕しようと奮闘する御都合主義的おバカコメディ。
主人公の持つ正義感と根性とバイタリティが、警察組織の一員としては全く評価されなかったのに、潜入捜査官かつヤクザとしては大いに身を助けるところとなっているのは興味深い。
笑っちゃうくらいくだらないが読ませる。
これがヤンマガでなくスピリッツに掲載されているというのも非常に興味深いところである。

 

普段漫画は読まないんですが、呉智英さんが某雑誌で推薦していたので読みました。
震えました。中毒になりました。次を次を、となります。請け合いです。
そこらの映画やテレビよりよっぽど上等です。
みなさんも中毒になってください。

 

主人公である菊川玲二がモグラ(潜入捜査官)としてヤクザ組織に潜入する話なのだが、いろいろな場面でピンチに陥ってしまう場面場面がとっても読んでいてハラハラしてしまい、次のページをめくるとありえない結末にオーッとなってしまう、まさにジェットコースター漫画。とりあえず、読むなら少なくとも絶対3巻までの購入がオススメ。特に'@巻と'A巻を読んだあとの「早く次を読みたいっ!」というどうしょもない気持ちは言葉に表せない。

 

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