マギ

最近では逆に見なくなった王道の冒険物ですが、
世界観が練りこまれていてすごく面白いです。
不思議な力をもった少年アラジンが出会った人々を巻き込みながらの旅。
アラジンは子供のように純粋に見えて、時折見せる違う一面にハッとさせられるし、
相棒になったアリババも常識人ながらに熱いところをもっていてかっこいい。
楽しいだけでの旅ではなく、その裏にある奴隷などの身分制度
絶対的な権力といった歪んだ社会意識や背景もしっかり描かれていて、物語を引き締めています。
まだまだ話は序盤で、マギについても、ダンジョンについても謎だらけ。
これからの世界のスケールの大きさを予感させてくれてワクワクします。

 

 

 

 

 

とにかく読んでいる間はワクワクがとまらなかった。この感覚は、そうあのダイの大冒険に近いかも。
それとも初めてドラクエゼルダワルキューレの冒険をやった少年の日の感覚でしょうか?
誰も知らない未開の世界を、偶然に出会った仲間と少しずつ解き明かして行く感覚
でも、まあ漫画なのでダイ大がイメージ近いですね。主人公アラジンは、不思議な力を秘めたダイを彷彿とさせるし、
アリババはあのポップを少し有能にした感じ。特筆すべきは奴隷少女・モルジアナ。作者が女性だからでしょうか、
男性作家には描けない女性特有のこまやかな描写にあふれてて、かなりグッときました。
ちょっとマアムとは違いますが、これはこれで
ダイ大とは違う新たな3人組の冒険漫画を予感させます。
まるで30代前半の僕らの世代を狙い撃ちにしたかのようなこの漫画。大人も是非、読んでみてください。
絵柄がきれいで、ちょっとオタク系に思う人もいるかもしれませんが、
これは全然違う、熱血少年漫画、王道冒険漫画だと思います。
ワンピースや鋼、以外に久しぶりに大人も読める少年漫画が生まれました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私も、赤ちゃんの世話をしながら、時々読みます。
現実に、世界にあるような問題を取り込んで、1巻をはじめとする当初はアラブ帝国風、次第に、モンゴル風、古代中華帝国風、ローマ帝国風、中世ヨーロッパ風など、にデザイン(決して史実を書く訳ではありません)された世界で、
魔法とバトルの少年漫画を繰り出します。
全体として、権力に搾取される世界の一面をテーマにしています。
悲しい不条理な世界に強くたくましく、立ち向かう、自分のコンプレックスを抱え、決して人と協力していくことを是とできない人間が、やがて人と一緒に歩んでいく、
壮大な物語を語ってくれています。
後の巻で、
他国の強い通貨を取り入れて、
豊かになった気になって、自国の国民を売り渡す国王がいたり、
今、サンデーで連載しているあたりでは、
人民をまとめるために、
歴史上多様な考えがあって争った、という事実などない、と、過去を改ざんする必要を説く為政者がいたり、
なかなか、するどい、
現代でもそういったことをしたり説いたりしたりする人がいる問題を、
実験的に取り扱ってくれている、
なかなか面白いシナリオだ、と思っています。

 

 

 

 

 

 

 

読んでみると解りますが、この作品のキモはテキスト・ナレーションの量の多さにあります。
ナレーションを入れるタイミングとシチュエーションが面白く爽快、
またこれによって支配された物語進行のテンポが心地よい!
当然ながら、絵のみでは表現出来ない緻密な感情描写と状況設定(ダンジョン突入時など)に加え、
今後の展開の伏線張りにも貢献しています。
ナレーションの多用は基本的に読者を退屈にさせてしまうものですが、この作品を読んでいると作者の実力を感じさせられますね。
肝心のストーリーですが、中東のような場所を舞台とした、迷宮攻略ファンタジーのようです。
主人公である天真爛漫な幼い少年アラジンが、大きな野望と欲望・熱い正義感を持ち合わせたアリババと出会う所から旅は始まります。
1
巻にも出てくる奴隷であるモルジアナ等、周りの人物に影響を与えながら展開される王道物語。
快感と感動を得たい方は、是非読むべき。
そして主要キャラクターが非常に魅力的。
作者が正と負の感情を描写するのに優れた方なので、そこも見所ですね。
名前は某物語から借りてきているみたいです。
あと脱力系に分類されるギャグシーンをよく見かけますがかなり個性的で、
肌に合わない方もいるかもしれないので注意です。