永遠の0

 

第二次世界大戦真珠湾攻撃から終戦までを、海軍とゼロ戦の戦いを中心に、最後は特攻隊に所属した主人公、宮部久蔵の転戦をとおして描かれます。当時、世界最強であったゼロ戦の能力や航空兵の高い戦闘能力、詳細な戦いの解析など、戦闘記ものの好きな人には、こうした面からもお勧めです。物語は、生前の宮部を知る何人かの元軍人の会話で進められますが、戦争経験者でなければ知りえないような話が含まれており、著者の高い取材能力がわかります。

 

宮部のモデルは、おそらく数人の人物の集積であると推察されますが、カミカゼ特攻隊で死んでいった最終章にいたる宮部のモデルは、戦艦ミズーリに突入して損傷を与えた実在の人物と思われます。ハワイの真珠湾では、戦艦ミズーリが現在展示されていますが、特攻機による損傷は現在も確認可能で、この一機の特攻機による展示は、ミズーリの展示のハイライトになっています。特攻隊員の素性、特攻後のミズーリの乗船員がとった人道的な行動、ミズーリが沖縄に与えた甚大な被害がパネル展示で見られ、人によって、様々なメッセージをうけとることができると思われます。この小説に感動された方で、ミズーリの展示に接すれば、それは宮部と実際に対面できて、その生きたメッセージを受け取れる機会であるといえます。

 

この小説のモデルになった人物の記録は、NHKウイークエンドスペシャル「神風特攻隊 ミズーリ突入の軌跡」として、 2001.8.3放送され、現在はYouTubeで見ることができます。こちらはドキュメンタリーなだけに、小説とは違った感動が得られます。小説のファンには是非お勧めです。

 

 

 

 

 

このレビューを書いている現在、私は高校生です。

 

この作品を読んで私は感動したというよりも考えさせられました。特にマスコミに対して考えさせられました。私は常日頃から親や学校の教師たちに新聞を読め・ニュースを見ろと教えられてきました。新聞やニュースをみることによって知識を蓄え、社会に出ても恥ずかしくないようにと今までさんざん言われてきました。

 

 

 

もう一つ、言われることがネットの情報は信用性がないので信じるなということです。たしかにネットは誰でも書き込むことができ事実とは大きく異なることもあります。新聞などの情報媒体に比べても信用性は低いでしょう。しかしネットの情報が信用性が低く、新聞やテレビのニュースの情報が必ず正しいというわけではありません。

 

各社の新聞を見比べるとけっこう主義主張がバラバラです。テレビのニュースも偏向報道が目立ち、利潤を追い求めるためだけに報道しているとしか思えないところがあります。

 

 

 

どの情報媒体の情報が正しいとは言いません。しかし世間では新聞・報道番組は信じれるという風潮が存在しているのは確かです。この風潮を打ち砕かないとマスコミに簡単に騙され扇動されるのではないでしょうか。

 

 

 

この作品を読んで、戦争の悲惨さが改めて分かり二度と戦争を起こしてはならないと強く思いました。そしてそのためには何が必要なのか?一国民として考えていきたいです。そして自分が今まで正しいと思っていたことが本当に正しいのかどうかをしっかりと見極めて生きていきたいです。

 

 

 

この作品に出会えて本当に良かったです。自分をを見つめなおすことができました。

 

 

 

この本はただ特攻隊や戦争の悲惨さについて書かれただけの本ではなく現在のマスコミの問題点についても言及しています。この本を読むことによって現在の日本の報道機関の問題点や彼らが流す情報の信用性への疑問や危険性についても考えさせられることでしょう。映画化も決まっているそうですがただ感動するだけの映画ではなく考えさせられる映画になることを祈っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがきにあるように日本がクレイマー社会となり果て、金ばかり要求するみっともなくさもしい時代が到来している。そんなタイミングにこの作品に出会えてよかった。

 

 

 

特攻隊という題材に引きずられることなく、冷静な分析と静かな強い決意に満ちたストーリーに何度も涙した。

 

 

 

内容の素晴らしさはほかのレビューに譲るとして、中でもマスコミに言及した個所に強い共鳴を覚えた。

 

 

 

ペンは剣よりも強し、と豪語しながら、ペンの暴力については不問にし続ける卑怯極まりないジャーナリズム。

 

 

 

ろくでもない質問しか用意できない幼稚さを棚に上げて他者を上段から非難し糾弾する彼らにはうんざりしている。彼らは、戦争を引き起こした一権力集団であった。

 

 

 

軍人を戦犯呼ばわりする資格はない。

 

 

 

 

 

 

 

自らを総括すらできなかったジャーナリストたちはそのまま大きな顔をして戦後社会を破壊させていった。

 

 

 

現代日本にあふれるおかしな定義の「弱者」を作り出したのも彼らだったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

読後、生まれて初めて靖国に出向いてみた。

 

 

 

彼らの残した「遺書の行間」をせめて受け止めたいと思ったのだが、とても受け止められるものではなかった。

 

 

 

ただ、ただ涙して彼らの冥福を祈ることしかできなかった。

 

 

 

生きるとは、過酷なものである。

 

 

 

それは戦争のあるなしには関係がない。どう生きるか。どんな生き方を選ぶか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子どもの頃からわりと戦争に関するノンフィクションを読んできたので、多少の知識はあるつもりでしたが、航空隊の最前線がこれだけ緻密に描かれたものは初めて読みました。フィクションではあるのでしょうが、かなり正確な調査の上で書かれたフィクションなのでしょう。緻密に書かれていると思いますが、百田さんの文章は、気がつくとかなり読み進んでいます。

 

絶対に生きて帰ると言い続けた主人公が最後は特攻で死んでしまう。戦後60年過ぎた今、彼を知る生き残りの元兵士たちの口を通して、それぞれの人の目に写った通りに語られていきます。じわりじわりと浮き上がってくる人物像。しかし、絶対に生きて帰ると言い続けた主人公が、なぜ特攻で死ぬことになったのか、わかるようでなかなかわからない。私は読むスピードがとても遅いのですが、この作品は一気に読めました。読み終わって数日経ちますが、まだ、次の本に手が伸びません。いまだに余韻に浸っています。40代後半の私ですが、人生観が変わりそうなほどの衝撃を受けました。

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