ノラガミ

 

久々にものすごいマンガに出会いました。

 

ジャンルとしては現代を舞台にした和風ファンタジーとでもいえばいいのでしょうか。

 

アクション要素あり、ギャグ要素あり、シリアス要素ありと盛りだくさんの内容となっていています。

 

 

 

個人的な解釈ですが本作のメインテーマは「命」だと思います。

 

主人公の夜トは普段の性格はガサツで気分屋でヘタレなのですが「死にたい」といった人に対してキレたり、自殺する人間に対しては「死にたい奴は死ねばいい」・「救いようがない」など冷淡で非情な言葉が出てくることもありますがそれは生きたくても生きられなった人間をたくさん見てきたために発せられた言葉であったりします。

 

普段、ちょっとしたことで「死にたい」と言ったりする人、自殺する人も多い現代ですが安易に「死にたい」などと言葉にすることがどれだけ故人に対して無礼で自分勝手なことなのか…

 

 

 

本作の主人公である夜トは黒いジャージ姿で、首に手拭いをまくという服装でとても神には見えない神であり神と言っても八百万の神の中でも末端の末端の存在で超マイナーな神なのですが武神で意外と強かったりします。

 

かなり個性的なキャラクターだと思います。

 

神を題材にした作品は多くありますがジャージ姿でさらに携帯を使いこなしツイッターもする神というのはなかなか珍しいと思います。

 

 

 

絵もとても綺麗で話もテンポよく進むのでとても読みやすいです。

 

純粋にエンターテインメントとしても楽しめますがじっくり読んでみると意外と考えさせられるような物語にもなっています。

 

 

 

 

これからの可能性を感じさせられます。

 

 

 

ここで登場する「神」様は、ダメ神で、最低レベルの落ちこぼれ。

 

忠実であるべき「伴器」(まだ穢れを受けていない、此岸と彼岸の狭間に漂う霊で「神」に仕え、神が悪霊と戦うときの武器になるもの)からさえ見放されてしまう、ダメ神です。

 

 

 

神様が、落ちこぼれの人間から見ても頼りなく、冴えない男というのがミソです。

 

ちなみにこの神さまは携帯の番号をあちこちに書いて仕事募集をしています。

 

若いのですが、むさ苦しく、気ままで「伴器」からも嫌われるような男なんですね。

 

 

 

この神様は、あちこちに仕事募集中の落書きをしていますがなかなかまともな仕事にありつけません。

 

依頼人も神様相当なんでしょうか。

 

彼の夢は仕事の報酬である5円を貯めていって、交通至便なところに豪華な社を建てることなのですが、

 

とてもじゃないけれどお布施がいただけるような仕事はまいこんできません。

 

 

 

第1話は導入で、本体につながっていきません。

 

ダメ神の「夜ト」がそれまでの「伴器」から見放されて途方に暮れる状況を作っています。

 

 

 

第2話から本体は始まって、ここで、中途半端に生き霊になってしまう「ひより」という女の子と出会い、

 

更に第3話で、新たな伴器となる男の子が登場し、いよいよ物語が動き始めるというところで第1巻は終了。

 

 

 

ノラガミということで神様が一応主人公ですが、

 

神様×ひより×伴器、の三つどもえの絡み合いがメインです。

 

コミカルで時折ほろりとする、そんな展開になっていくのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

『アライブ-最終進化的少年-』の作画担当、あだちとかさんの漫画です。月マガで連載されていて、コミックも買ってますけどそっちも毎月楽しく読んでます。

 

 

 

神を名乗る(絶賛売りだし中の神)ジャージの不審な男・夜トと、彼と関わったことで生活が、というか人生が、変わった女の子・ひよりの話。

 

 

 

時にコメディで、時に人情?ホッとするような場面も。

 

 

 

ありがちなお悩み解決!的一話完結形式ではないところがお気に入りです。

 

 

 

これもジャケ買いっていうんでしょうか?表紙だけ見ても気になってしまいそうな第1巻。発売を心待ちにして購入しました。

 

 

 

本当に絵の上手な方ですよね。女の人には特に読みやすいのではないかと。

 

 

 

ちなみに二人は神様と人間なんで、恋とかには発展していかないんでしょうかね?少年漫画なんで、その辺りはあまり気にはしていませんが、すでに連載の方では色々ほのめかされていますので、そのあたりも含めて先もかなり楽しみです。

 

 

 

これからどうなっていくのか、期待しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作『アライブ』から引き継いだアートワークと独特な世界観の融合により素晴らしい漫画がようやく誕生した。再び掲げる命というテーマを重すぎもせず軽すぎもせず巧く表現している点からして、あだちとか先生の更なる躍進が期待できるところだ。『アライブ』完結後に急逝した原作の河島正先生が最後の作品に選んだテーマが命だった。そのテーマの続きをあだちとか先生なりに改めて考えてみたのがそのまま『ノラガミ』なのかもしれない。この作品でも先生は再び個性的なキャラクター、独特なファンタジー世界観、迫力あるアクションシーンで面白い展開を魅せる。物語は全く違うけれど『アライブ』の馴染みが垣間見えて懐かしい。この懐かしさにも亡き河島正先生への尊敬の念が込められているように思われる。昨今の少年漫画と比べて異質なテンションを保ちつつ新感覚の感動をくれる両作品。『ノラガミ』もさることながら『アライブ』を知らない人は是非一度読んでみていただきたい。もちろん『ノラガミ』から読み始めるのも構わないと思う。夜トを初め様々なキャラクターと出会って、不思議な温もりを感じることができるかもしれない。

 

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